フッ素と聞くと何となく、『歯に良い』『虫歯予防に効果がある』などのイメージがあると思います。今回はもう少し詳しくフッ素にはどんな働きがあるのか、どのような使い方が有効かを解説していきます。
フッ素の働き
フッ素には大きく分けて3つの働きがあります。
①酸の産生を抑制 虫歯菌の活動を抑制して、歯を溶かす酸を作らないようにします。
②再石灰化の促進 虫歯菌によって作られた酸が歯を溶かした場合、唾液中のミネラルの歯への沈着を促すことで歯を修復します。
③歯質強化 フッ素が歯の表面に作用して強い結晶となり、虫歯菌が作り出す酸から歯を守ってくれます。
フッ素はいつから塗ることができるの誰にでも効果があるの
フッ化物歯面塗布は、歯が生えはじめたら行うことができます。 萌出して間もない歯は、反応性が高く、フッ化物塗布による歯の表層へのフッ化物の取り込み量が大きく効果的です。
また、う蝕にもっとも罹患しやすいのは歯が萌出してから23年の間であるといわれているため、萌出直後からフッ化物歯面塗布を実施する必要があります。
一度塗ったら終わりではなく、何度も繰り返して塗布することによって効果が上がると言われています。
成人の場合も根面う蝕(歯茎が下がった根の部分にできる虫歯)にフッ素が有効であるため、継続して塗ることをお勧めしています。
歯科医院などで塗布するフッ素と歯磨き粉に入っているフッ素は何が違うの
2つの違いはフッ素の濃度です。
歯科医院や保健センターなどで使用する高濃度のフッ素(9000123000ppm)は、歯質の強化を特に期待しています。一方、薬局やスーパーなどで販売されている歯みがき粉などに含まれる低濃度フッ素(5001000ppm)は、使い続けることで酸の産生を抑制し、歯の再石灰化を促します。
従って、歯科医院で塗布するフッ素と自宅で使用するフッ素を併用することで、より虫歯予防の効果が高まります。
今回、フッ素について解説しましたがフッ素を塗っていれば必ずしも虫歯にならない訳ではありません。
日々のブラッシングや飲食などにも注意しながら、上手にフッ素を取り入れましょう。