PMTCとは
Professional Mechanical Tooth Cleaningの略です。
毎日のセルフケアではコントロールしにくくてリスクのある部位を専門の機械を使用して歯科医院において重点的にクリーニングするプロフェッショナルケアのひとつです。
PMTCを考えたスウェーデンのベルー・アクセスソン博士は、個々のリスクに応じた予防を行うことで患者さんの歯を97.7%の確率で守れると言っています。
患者さんが磨き残しやすい部分を集中的にクリーニングするのがPMTCです。
PMTCはバイオフィルムを除去することが目的です。
バイオフィルムとは虫歯のきっかけをつくるミュータンス菌が出す不溶性グルカンを足がかかりにして、お口の中の様々な細菌が絡み合ったバリアのような膜のことを言います。
これは抗生物質や抗菌剤、唾液の洗浄作用も効かず歯ブラシだけでは取り除けない膜です。それをPMTCで取り除きます。
身近な物で例えるとお風呂場や台所の三角コーナーでヌルヌルしたものが同じです。バイオフィルムは細菌と空気・水・温度があるところならどこでもバイオフィルムは形成されます。
PMTCと歯石除去の違い
PMTCは虫歯や歯周病の原因であるバイオフィルムを除去する事が目的です。患者さんのリスクになっている場所、歯と歯の間や歯と歯茎の境目2~3mmのバイオフィルムを除去することが重要です。
バイオフィルムは4日間除去できていないと約235倍もの厚みになります。PMTCをするときは歯垢染色液で染め出しをしリスク部位を明確にします。
リスクコントロールをしてバイオフィルムの質を維持します。
歯石除去の自分では取れないついてしまったものを除去をするのが目的です。
歯石とは、口の中の汚れ(プラーク)の中の細菌が唾液中に含まれるカルシウムやリンなどのミネラル成分と結合し、時間が経って石のように硬くなってしまったものを言います。
個人差はありますがブラッシングで取りきれなかったプラークは、付着して2日から2週間程で歯石になってしまいます。
ついてしまった歯石は自分では取れないので、歯科医院で除去する必要があります。
PMTCの効果
虫歯予防効果
PMTCを受けてないグループは6年間で平均14歯の面に虫歯ができました。PMTCを受けたグループは平均わずか0.2面にらしか虫歯はできませんでした。
約70倍もの差になるという事がわかっています。
歯周病予防
PMTCを受けてないグループは6年間て平均1.2mm歯周病が進行しています。PMTCを受けたグループは歯周病の進行はなく健康的な歯茎を維持出来ているという研究結果が出ています。
プラーク中に含まれる細菌数を調べてみると歯茎の中の細菌数が大きく減っていてPMTCを続けることで低いレベルで維持されていることがわかります。
虫歯予防・歯周病予防に年齢は関係なくセルフケアとプロファイルケアであるPMTCを続ける事により97.7%の歯を守る事が出来るとわかっています。